DATE : 2007/03/09 (Fri)
場合によっては授乳が痛みを伴う場合がある。テクニック不足によるものは通常しばらくすると改善される。乳管が閉塞すると、乳房の充血や炎症が起るが、その際はマッサージを行うと同時に、むしろ積極的に問題のある側の乳房を吸わせ、症状が収まるまでできるだけ空にしておくことが良いとされている。乳首にカンジダ症がある場合も痛い。授乳時間を制限しても痛みは防止できない。
紅毛碧眼の白人は乳首の割れをもっとも経験しやすいといわれているが、赤ん坊を抱く姿勢が悪いと、誰にでも起こりうることである。赤ん坊がまだ上手 に乳房にしゃぶりつかせたり乳房を離したりするのができない場合も、舌や吸引によって乳首の傷みが起こりうる。吸うのをやめさせる場合は、赤ん坊が乳房を 離した隙をみて、唇のところに指を入れるか、静かに乳首を押し下げる。Nursing Padやきついブラは乳房や乳首の痛みの原因になりうる。ヘアードライヤー、サンライト、石鹸、アルコール、香水、脱臭剤、ヘアースプレー、ボディパウ ダー、搾乳器の誤用なども原因となりうる。哺乳瓶を使ったりニップルシールド(乳首保護具)を使ったりしても赤ん坊の吸い方が変わってしまう。
乳首の保護に医療用のラノリン(羊の皮膚や毛に含まれる高級脂肪酸及び高級アルコールのエステルの混合物。)を用いる母親もいる。Lansinohの名でLa Leche League Internationalが授乳中の母親向けに医療用精製ラノリンクリームを販売しているし、日本薬局方の第二部にも「加水ラノリン」が収載されている。自分自身の母乳を搾って、それを乳首に塗るのも保護になる。6週間も授乳をすれば、母子共にテクニックが上達しこれらの問題は解消に向かう。乳首の痛みが耐え切れない場合は、搾乳によって母乳栄養を継続することもできる。